- 専門医制度と連携したデータベース事業について
- 肺癌に対するサルベージ手術の有効性と安全性を検討する多施設共同後ろ向き研究(滋賀医大版)
- 非小細胞肺がんにおけるGalectin-3の予後予測因子としての有用性の検討
- 非小細胞肺がんにおける予後予測に関するバイオマーカーの特定
- ALK融合遺伝子発現原発性肺癌症例に対する治療の登録研究―多施設共同研究―
- 全国肺癌登録調査:2010年肺癌手術症例に対する登録研究―多施設共同研究―
- 悪性腫瘍における蛋白発現情報を用いた治療・予後決定因子の検索(組織アレイおよび画像解析システムを用いた解析)
- 非小細胞肺がんにおけるEGFR遺伝子変異と免疫逃避メカニズムおよび転移・浸潤能の獲得に関する研究
- 臨床病期ⅢB/Ⅳ期および術後再発非小細胞肺がんに対するnab-PTX+CBDCA(3週間投与1週間休薬)併用療法の第Ⅱ相試験
- Synapse Vincentを用いた術後残存肺容量の定量と術後合併症との関連についての検討
- 縦隔腫瘍に対する手術支援ロボット手術装置(da Vinci Si)を用いたロボット支援胸腔鏡下縦隔腫瘍摘出術の有用性・安全性の検討
- 肺癌の予後・治療効果予測に関するバイオマーカーの同定
専門医制度と連携したデータベース事業について
肺癌に対するサルベージ手術の有効性と安全性を検討する多施設共同後ろ向き研究(滋賀医大版)
(1)研究の概要について
研究課題名:肺癌に対するサルベージ手術の有効性と安全性を検討する多施設共同後ろ向き研究(滋賀医大版)
研究期間:滋賀医科大学学長承認日から2018年12月31日まで
実施責任者:滋賀医科大学 呼吸器外科 花岡 淳
(2)研究の意義、目的について
近年の原発性肺がんに対する診断、治療は目覚ましい進歩を遂げ、従来では手術の適応とならなかった進行期肺がんに対しても、集学的治療後に遺残・再燃した病変を切除すること(サルベージ手術)で、その後の生命予後が期待できる可能性が示されています。しかし、手術対象となる症例は非常に少なく、本邦の多施設でのサルベージ手術の治療状況を検討・解析することで、有効性や安全性、定義について明らかにしたいと考えています。
(3) 研究の方法について
《研究の方法》
この研究では、2010年1月1日から2015年12月31日の期間に、根治的放射線・化学放射線療法、定位または粒子線治療後、分子標的薬治療後に遺残または再燃した場合に根治手術を行った症例を対象として、治療情報や手術情報、その後の経過について検証し解析を行います。
(4)予測される結果(利益・不利益)について
参加頂いた場合の利益・不利益はありません。
(5)個人情報保護について
研究にあたっては、個人情報を直接同定できる情報は使用されません。また、研究発表時にも個人情報は使用されません。
(6)研究成果の公表について
この研究成果は学会発表、学術雑誌およびデータベースなどで公表します。
(7)問い合わせ等の連絡先
滋賀医科大学 呼吸器外科 花岡 淳
住所:520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町
電話番号: 077-548-2244
メールアドレス: hqsurg2@belle.shiga-med.ac.jp
非小細胞肺がんにおけるGalectin-3の予後予測因子としての有用性の検討
《対象者》
平成19年1月1日から平成27年12月31日の期間中に、滋賀医科大学附属病院呼吸器外科で、非小細胞肺がんに対して手術を受けた患者さん
《研究協力のお願い》
当科では「非小細胞肺がんにおけるGalectin-3の予後予測因子としての有用性の検討」を行います。この研究は、平成19年1月1日から平成27年12月31日の期間中に、滋賀医科大学附属病院呼吸器外科で、非小細胞肺がんに対して手術を受けた患者さんの臨床情報を調査する研究で、研究目的や研究方法は以下の通りです。直接の同意は頂かずに、この掲示などによるお知らせをもって、同意を頂いたものとして実施されます。皆様方におかれましては、研究の主旨をご理解頂き、本研究へのご協力を賜りますようお願い申し上げます。この研究へのご参加を希望されない場合、途中からご参加取りやめを希望される場合、また、研究に関するご質問は下記の問い合わせ先へご連絡下さい。
(1) 研究の概要について
研究課題名:非小細胞肺がんにおけるGalectin-3の予後予測因子としての有用性の検討
研究期間:2017年4月1日~2020年3月31日
実施責任者:滋賀医科大学 呼吸器外科 片岡 瑛子
(2) 研究の意義、目的について
《研究の意義、目的》
非小細胞肺がんの治療法(手術、抗がん剤治療、放射線治療など)は、近年、確実に進歩してきています。しかし、非小細胞肺がんに対して手術を受け、その後に、抗がん剤治療を受けても、数年の間に再発する患者さんがおられます。私たちは、非小細胞肺がんに対して手術を受けた患者さんにおいて、がんが転移や再発をする可能性があるか、早期に予測できるマーカー(物質)を発見しようと試みています。この研究では、がんの転移に関連していると考えられているGalectin-3という物質が、非小細胞肺がんに対して手術を受けた患者さんにおいて、転移や再発をする可能性を予測できるマーカー(物質)となり得るか調査します。
(3) 研究の方法について
《研究の方法》
手術で摘出された肺がん組織は、パラフィン(ろう)で固められ(パラフィンブロック)、滋賀医科大学医学部附属病院で保管されています。Galectin-3などのがんの転移に関係する物質が、肺がん細胞や肺がん細胞の周りに存在するがん間質細胞に出ているか、パラフィンブロックの一部を利用して顕微鏡で観察して調べます。また、患者さんの肺がんの状態や手術後の経過を診療録(カルテ)を見て調べます。Galectin-3などの顕微鏡検査の結果と、患者さんの状態との間に科学的な関連性があるか調査します。
(4) 予測される結果(利益・不利益)について
参加して頂いた場合に、不利益はありません。同意しなくても、今後の治療で不利益になることはなく、通常通りの治療を行います。
(5) 個人情報保護について
研究にあたっては、患者さんの名前や病気のことなど、プライバシーは厳重に守られます。
(6) 研究成果の公表について
この研究成果は学会発表、学術雑誌およびデータベースなどで公表します。
(7) 問い合わせ等の連絡先
滋賀医科大学 呼吸器外科 片岡 瑛子
住所:〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町
電話番号:077-548-2244
メールアドレス: hqsurg2@belle.shiga-med.ac.jp
非小細胞肺がんにおける予後予測に関するバイオマーカーの特定
《対象者》
平成18年1月1日から平成27年12月31日の期間中に、滋賀医科大学附属病院呼吸器外科で、非小細胞肺がんに対して手術を受けた患者さん
《研究協力のお願い》
当科では「非小細胞肺がんにおける予後予測に関するバイオマーカーの特定」を行います。この研究は、平成18年1月1日から平成27年12月31日の期間中に、滋賀医科大学附属病院呼吸器外科で、非小細胞肺がんに対して手術を受けた患者さんの臨床情報を調査する研究で、研究目的や研究方法は以下の通りです。直接の同意は頂かずに、この掲示などによるお知らせをもって、同意を頂いたものとして実施されます。皆様方におかれましては、研究の主旨をご理解頂き、本研究へのご協力を賜りますようお願い申し上げます。この研究へのご参加を希望されない場合、途中からご参加取りやめを希望される場合、また、研究に関するご質問は下記の問い合わせ先へご連絡下さい。
《問い合わせ等の連絡先》
滋賀医科大学 呼吸器外科 五十嵐 知之
〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町
Tel:(077)-548-2244
E-mail:hqsurg2@belle.shiga-med.ac.jp
不同意書(Word)
研究の概要:
研究課題名:非小細胞肺がんにおける予後予測に関するバイオマーカーの特定―
研究期間: 倫理審査委員会承認日~平成 32 年 3 月 31 日
実施責任者: 滋賀医科大学 呼吸器外科 五十嵐 知之
研究の意義、目的について:
研究の意義、目的
非小細胞肺がんの治療法(手術、抗がん剤治療、放射線治療など)は、近年、確実に進歩してきています。しかし、実情は、非小細胞肺がんに対して手術を受け、その後に、抗がん剤治療を受けても、数年の間に再発する患者さんがおられます。私たちは、非小細胞肺がんに対して手術を受けた患者さんにおいて、がんが転移や再発をする可能性があるか、早期に予測できるマーカー(物質)を発見しようと試みています。この研究では、がんの転移に関連していると考えられているFSTL1やDIP2Aという物質や免疫チェックポイント分子が、非小細胞肺がんに対して手術を受けた患者さんにおいて、転移や再発をする可能性を予測できるマーカー(物質)となり得るか調査します。
研究の方法について:
研究の方法:
手術で摘出された肺がん組織は、パラフィン(ろう)で固められ(パラフィンブロック)、滋賀医科大学医学部附属病院で保管されています。FSTL1やDIP2Aなどのがんの転移に関係する物質や免疫チェックポイント分子が、肺がん細胞に出ているか、パラフィンブロックの一部を利用して顕微鏡で観察して調べます。また、患者さんの肺がんの状態や手術後の経過を診療録(カルテ)を見て調べます。FSTL1やDIP2Aなどの顕微鏡検査の結果と、患者さんの状態との間に科学的な関連性があるか調査します。
予測される結果(利益・不利益)について
参加して頂いた場合に、不利益はありません。同意しなくても、今後の治療で不利益になることはなく、通常通りの治療を行います。
個人情報保護
研究にあたっては、患者さんの名前や病気のことなど、プライバシーは厳重に守られます。
研究成果の公表について
この研究成果は学会発表、学術雑誌およびデータベースなどで公表します。
ALK融合遺伝子発現原発性肺癌症例に対する治療の登録研究―多施設共同研究―
《対象者》
滋賀医科大学附属病院呼吸器外科および関連病院において、2016年5月31日以前にALK融合遺伝子発現原発性肺癌に対する治療を行った症例
《研究協力のお願い》
滋賀医科大学呼吸器外科および同関連病院では「ALK融合遺伝子発現原発性肺癌症例に対する治療の登録研究 ―多施設共同研究―」という研究を行います。この研究は、滋賀医科大学呼吸器外科および同関連病院において、2016年5月31日以前にALK融合遺伝子発現原発性肺癌に対する治療を行った症例の臨床情報を調査する研究で、研究目的や研究方法は以下の通りです。直接のご同意はいただかずに、この掲示などによるお知らせをもってご同意を頂いたものとして実施されます。皆様方におかれましては研究の主旨をご理解いただき、本研究へのご協力を賜りますようお願い申し上げます。この研究へのご参加を希望されない場合、途中からご参加取りやめを希望される場合、また、研究に関するご質問は下記の問い合わせ先へご連絡下さい。
《問い合わせ等の連絡先》
滋賀医科大学 外科学講座(呼吸器外科) 花岡 淳
〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町
Tel:(077)-548-2244
E-mail:sumsresp@belle.shiga-med.ac.jp
研究の概要:
研究課題名:ALK融合遺伝子発現原発性肺癌症例に対する治療の登録研究 ―多施設共同研究―
研究期間: 2016 年 16月 1 日~2017 年 12 月 31 日
実施責任者: 滋賀医科大学 外科学講座(呼吸器外科) 花岡 淳
研究の意義、目的について:
研究の意義
原発性肺癌の悪性度は高く、本邦における死因の第1位であり、日本国民の健康福祉の向上のために治療成績の向上が求められる。 原発性肺癌の治療には、外科治療、抗癌化学療法、放射線療法があるが、進行肺癌に対しては薬物療法が中心である。近年、肺癌の癌化や増殖のプロセスに重要な「driver mutation」という遺伝子変異が次々に発見され、特にEGFR遺伝子変異やALK融合遺伝子などのdriver mutationをターゲットとした薬剤の開発が進み、個別化医療に取り組まれている。ALK融合遺伝子に対する阻害剤で現在までに薬事承認されているのはクリゾチニブとアレクチニブであり、クリゾチニブは細胞障害性薬剤(ペメトレキシドまたはドセタキセル)との第Ⅲ相ランダム化比較試験(PROFILE1007試験)で無増悪生存期間中央値が有意差をもって優っており(7.7ヵ月 vs 3.0ヵ月)、アレクチニブは国内第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(AF-001JP試験)で奏功率:93.5%、無増悪生存期間中央値中央値:27.7ヵ月と高い治療効果を示す報告がされている。進行肺癌に対する治療成績向上のためには、これら薬剤の効果的な使用が必須である。
目的
ALK融合遺伝子発現非小細胞肺癌症例の後ろ向き登録により臨床経過・治療成績を把握することである。それらの知見をもとに解析結果を発信することで、肺癌治療の成績向上に貢献することである。
方法:
- 本研究について参加各施設の倫理委員会で審査・承認を受ける
- 各施設より事務局へ本研究への参加申し込みを受ける
- 事務局よりALK融合遺伝子発現原発性肺癌症例登録に必要なUSBメモリーを送付
- 参加各施設では、送付したUSBメモリーに記憶させた症例登録用ファイルを立ち上げ、データを入力
(登録データは個人の同定が出来ないように匿名化され保管) - 本研究に参加した施設から登録されたデータが研究/登録事務局に送られ保管
- 登録データの解析担当者が、匿名化した登録データを用いて解析を行い、学会および学術論文として報告する。
予測される結果(利益・不利益)について
参加頂いた場合の利益・不利益はありません。
個人情報保護
研究にあたっては、個人情報を直接同定できる情報は使用されません。また、研究発表時にも個人情報は使用されません。
研究成果の公表について
この研究成果は学会発表、学術雑誌およびデータベースなどで公表します。
全国肺癌登録調査:2010年肺癌手術症例に対する登録研究―多施設共同研究―
《対象者》
滋賀医科大学附属病院呼吸器外科において、2010年1月1日から2010年12月31日のあいだに、原発性肺癌に対する治療目的で行った手術症例
《研究協力のお願い》
当科では「全国肺癌登録調査:2010年肺癌手術症例に対する登録研究 ―多施設共同研究―」という研究を行います。この研究は、滋賀医科大学附属病院呼吸器外科において、2010年1月1日から2010年12月31日のあいだに、原発性肺癌に対する治療目的で行った手術症例の臨床情報を調査する研究で、研究目的や研究方法は以下の通りです。直接のご同意はいただかずに、この掲示などによるお知らせをもってご同意を頂いたものとして実施されます。皆様方におかれましては研究の主旨をご理解いただき、本研究へのご協力を賜りますようお願い申し上げます。この研究へのご参加を希望されない場合、途中からご参加取りやめを希望される場合、また、研究に関するご質問は下記の問い合わせ先へご連絡下さい。
《問い合わせ等の連絡先》
滋賀医科大学 外科学講座(呼吸器外科) 花岡 淳
〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町
Tel:(077)-548-2244
E-mail:sumsresp@belle.shiga-med.ac.jp
研究の概要:
研究課題名:全国肺癌登録調査:2010年肺癌手術症例に対する登録研究 ―多施設共同研究―
研究期間: 2016 年 1 月 1 日~2017 年 12 月 31 日
実施責任者: 滋賀医科大学 外科学講座(呼吸器外科) 花岡 淳
研究の意義、目的について:
研究の意義
原発性肺癌の悪性度は高く、本邦における死因の第1位であり、日本国民の健康福祉の向上のために治療成績の向上が求められる。 原発性肺癌の治療には、外科治療、抗癌化学療法、放射線療法があるが、根治のためには外科治療が必須である。外科治療の成績向上のためには、大規模なデータベースによる治療成績の把握により、外科治療の適応、適切な術式の決定が行われる必要がある。 日本肺癌学会、日本呼吸器外科学会、日本呼吸器学会、日本呼吸器内視鏡学会では、これまでに1998 年 5 月「肺癌登録に関する合同委員会」を設置し、代表研究機関として多施設共同研究として症例登録を1994 年の外科手術症例(全国303施設より7408 例)、1999 年の外科手術症例(全国386施設より13344 例)、2002 年の内科・外科症例(358施設より14695症例)、2004年の外科症例(256施設より11664症例)に対し行われ、学会および学術論文として報告されてきた。また、当事業の症例データベースは世界肺癌学会のデータベースにも供与され、国際対癌連合(Union internationale contre le cancerあるいは The Union for International Cancer Control、略してUICC)による TNM分類の改定にも大いに貢献されている。
目的
2010年の原発性肺癌外科治療症例の後ろ向き登録により治療成績を把握することである。さらにその知見をもとに、今後の治療成績の向上に役立てる臨床研究を行い国内外に発信すると同時に、世界の肺癌治療の成績向上へも貢献することである。
方法:
- 本研究について滋賀医科大学倫理委員会で審査・承認を受ける
- Webサイトから全国肺癌登録合同委員会事務局へ本研究への参加申し込み
- 全国肺癌登録合同委員会事務局より肺癌手術症例登録に必要なUSBメモリーの送付・受け取り
- 受け取ったUSBメモリーをPC端末に挿入し、専用プログラムを起動して肺癌手術症例の登録を行う
(登録データは個人の同定が出来ないように匿名化され保管) - 本研究に参加した全国の施設から登録されたデータは全国肺癌登録合同委員会事務局に送られ保管
- 登録データの解析担当者が、匿名化した登録データを用いて解析を行い、学会および学術論文として報告される。また、 登録データは世界肺癌学会のデータベースにも供与され、UICCによるTNM分類の改訂にも貢献させる予定。
- 症例を登録した各施設より広く研究テーマを募り、選考の上、採択された研究テーマについて、今回の研究で収集された 登録データから研究成果を発案した施設から発表する予定。
予測される結果(利益・不利益)について
参加頂いた場合の利益・不利益はありません。
個人情報保護
研究にあたっては、個人情報を直接同定できる情報は使用されません。また、研究発表時にも個人情報は使用されません。
研究成果の公表について
この研究成果は学会発表、学術雑誌およびデータベースなどで公表します。
悪性腫瘍における蛋白発現情報を用いた治療・予後決定因子の検索(組織アレイおよび画像解析システムを用いた解析)
臨床研究への参加やご質問のあるかたは、下記の問い合わせ先までご連絡をお願いします。
問い合わせ先(研究責任者):花岡 淳(呼吸器外科)
〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町
滋賀医科大学 呼吸器外科
Tel:(077)-549-2244
E-mail:hqsurge2@belle.shiga-med.ac.jp (主任研究者:北野 晴久)
研究の概要
肺がんをはじめとする悪性腫瘍の治療は、新たな分子標的薬が登場していますが、期待通りの結果が出ていません。これは、腫瘍細胞の場合、正常細胞と異なり、複数のタンパク質が複雑に作用し、がんの増殖・進行に関与しているというのが原因のひとつと考えられています。
細胞のタンパク質は、細胞に存在するカギ穴のようなもので、同じ種類の腫瘍であっても、個人によってそのカギ穴の数や形は異なります。このカギ穴に関して詳しく調べることにより、腫瘍細胞の性格が分かり、これらのカギ穴にあうようなカギの付いた治療薬が開発できれば、新しい治療法の開発につながるわけです。
このようなタンパク質の発現を確認するのに、以前より免疫染色法を用いており、これは普段の手術後にも行われている一般的な方法です。今回は、新たに画像解析システムを採用し、この染色した腫瘍組織内のタンパク発現量を数値化して、詳細に検討します。腫瘍細胞の新たな特性が分かると、新たな治療薬の開発につながります。また、ハーセプチン®のような抗腫瘍薬の効果予測判定に用いているハーセプテストのように、抗腫瘍薬投与前にできる治療効果の予測にもつながります。
目的
肺がんをはじめとする腫瘍細胞では、細胞の中にある複数のタンパク質の発現の減少・増加のパターンが正常細胞と異なり、これががんの増殖・進行に関与していると考えられています。細胞内にある複数のタンパク発現の関係の変化を詳細に評価することにより、新たな診断法や治療法の開発や、患者さんの治療法の改善につながります。
方法
手術を受けると、摘出した標本(腫瘍・臓器)は、パラフィン包埋ブロックを作製して詳細な病理検査を行い、その後保管されています。本研究は、その保管されたブロックから直径数ミリ程度の組織片をくり抜き、組織アレイという技術を用いて、多数の組織で一つのブロックを作成します。この組織ブロックは、10~20年間保存します。そのブロックを薄くスライスしたものをスライドに載せて、免疫組織染色法で染色し、目的のタンパク質の存在を観察し、個々の腫瘍細胞のタンパク質の発現パターンを調べます。この染色したスライドを画像情報化し、画像解析ソフトを用いて、タンパクの発現を数値化し、複数のタンパクのデータと患者さんの臨床データを併せて、解析していきます。
合併症や副作用、不利益など
新たな危険を被ることはありません。
費用
患者さんの負担となるような費用は発生しません。
個人情報の保護
患者さんの名前や病気のことなど、プライバシーは厳重に守られます。
非小細胞肺がんにおけるEGFR遺伝子変異と免疫逃避メカニズムおよび転移・浸潤能の獲得に関する研究
《患者さんへ》
~肺がん術後病理組織標本(パラフィンブロック)利用のお願い~
滋賀医科大学呼吸器外科では、「非小細胞肺がんにおけるEGFR遺伝子変異と免疫逃避メカニズムおよび転移・浸潤能の獲得に関する研究」を行っております。既存の肺がん術後病理組織標本の使用について、個人の臨床データの収集や臨床研究への利用を拒否されるかたは、下記の問い合わせ先までご連絡をお願いします。なお、本研究の概要等は下記の通りです。
問い合わせ先(研究責任者):花岡 淳(呼吸器外科)
〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町
滋賀医科大学 呼吸器外科
Tel:(077)-549-2244
E-mail:hqsurge2@belle.shiga-med.ac.jp(主任研究者:五十嵐知之)
不同意書(PDF)
研究の概要
当科では、肺がんの患者さんに対して、肺がん細胞が、患者さん自身の免疫の働き(がん細胞から体を守ろうとする免疫細胞の働き)から逃れて増殖を続けるしくみや転移を起こすしくみと、肺がん細胞の増殖に関わる遺伝子との関係性を解明するための「臨床研究」を行っています。
肺がんでは、肺がん細胞の増殖に関わる上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子についての研究が進んでいます。この遺伝子に特定の変異(遺伝子変異)があると、肺がんの悪性度が高くなっている可能性がありますが、その一方でイレッサ®やタルセバ®といった分子標的薬が効きやすいといった特徴があります。このことから、EGFR遺伝子検査(肺がんにEGFR遺伝子の変異があるかどうかの検査)は、イレッサ®やタルセバ®といった分子標的薬が効くかどうかを判断する上で実施される検査になっています。
また、がん細胞は自身の身を守るために、がん細胞を攻撃する免疫細胞(リンパ球)の働きを低下させることが知られています。この原因のひとつに、がん細胞がPD-L1やPD-L2という物質を細胞の表面に出し、これらがリンパ球の持つPD-1という物質と結合するということがあります。
さらに、肺がんは他の臓器に転移することがあります。その中でも骨への転移が最も起り易いのですが、これにはRANKやRANKLといった物質が関与していると考えられています。
このように、肺がんの悪性度が高くなるのには様々な要因が絡んでいると考えられています。今回、私たちは、手術や検査を行った非小細胞肺がんの患者さんの肺がん組織を使用して、上記で述べたPD-L1/PD-L2やRANK/RANKLをはじめとしたがん細胞の増殖や転移に関係する物質ががん細胞に出ているかどうか検査し、EGFR遺伝子検査(肺がんにEGFR遺伝子の変異があるかどうかの検査)や患者さんの肺がんの状態や治療経過と関連があるかを調べる「臨床研究」を計画しました。
目的
非小細胞肺がんで手術や検査を行った患者さんの肺がん組織を使用して、PD-L1/PD-L2やRANK/RANKLをはじめとしたがん細胞の増殖や転移に関係する物質が、がん細胞に出ているかどうか検査します。この結果と、EGFR遺伝子検査結果(肺がんにEGFR遺伝子の変異があるかどうかの検査の結果)や患者さんの肺がんの状態や治療経過との間に関連があるかを調べます。
方法
手術や検査で摘出された肺がん組織は、パラフィン(ろう)で固められ、滋賀医科大学医学部附属病院に保管されています(パラフィンブロック)。このパラフィンブロックのごく一部分を使用して、PD-L1/PD-L2やRANK/RANKLをはじめとしたがん細胞の増殖や転移に関係する物質が、がん細胞に出ているかどうか顕微鏡で観察して検査します。また、EGFR遺伝子検査結果や患者さんの肺がんの状態や治療経過は診療録(カルテ)を見て調べます。そして、これらの検査結果の間に科学的な関連性があるかどうか調査します。
合併症や副作用、不利益など
特にありません。同意しなくても、今後の治療で不利益になることはなく、通常通りの治療を行います。
費用
この臨床研究での検査に関して、患者さんの費用負担はありません。肺がんの治療のために行うEGFR遺伝子変異検査は保険適用があります。
個人情報の保護
患者さんの名前や病気のことなど、プライバシーは厳重に守られます。
臨床病期ⅢB/Ⅳ期および術後再発非小細胞肺がんに対するnab-PTX+CBDCA(3週間投与1週間休薬)併用療法の第Ⅱ相試験
臨床研究への参加やご質問のあるかたは、下記の問い合わせ先までご連絡をお願いします。
問い合わせ先(研究責任者):花岡 淳(呼吸器外科)
〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町
滋賀医科大学 呼吸器外科
Tel:(077)-549-2244
E-mail:hqsurge2@belle.shiga-med.ac.jp (主任研究者:花岡 淳)
研究の概要
非小細胞肺がんにおける、臨床病期ⅢB期、Ⅳ期、術後再発に対する治療法としては、化学療法(抗がん剤投与)が最も適していると考えられ、画像検査で認められた病巣や微小遠隔転移をコントロールすることが期待して行われます。アブラキサン®とカルボプラチン®は、ともに肺がんに対して有効であることが確認されており、厚生労働省から使用を許可されている薬剤です。この2剤の併用療法は、手術施行が不能な肺がん患者さんに対して効果があることが既に報告されています。報告された治療計画は、1コースあたり3週間の治療を繰り返して行う方法でしたが、副作用のため約半数で減量あるいは約8割で投与の延期が必要となることがありました。
以上のことから、私たちは、1週間の休薬期間を含めた1セット4週間の治療を受けて頂き、報告されている治療法と同等あるいは高い効果が得られるか、また、安全に計画通りの治療が行えるかを確かめる「臨床試験」を計画致しました。
臨床病期IIIB /IV期および術後再発非小細胞肺がん患者さんに対して、抗がん剤(アブラキサン®とカルボプラチン®)を3週間投与1週間休薬で投与し、奏効率、無増悪生存期間、全生存期間、副作用、治療完遂率を調べることです。
方法
アブラキサン®は1回100mg/m2を約30分かけて静脈内に点滴します。カルボプラチン®は、アブラキサン®と同じ日(アブラキサン®の投与が終わってからすぐ)に、腎機能検査の結果から計算した量を1時間以上かけて静脈内に点滴します。問題となるような副作用が出現しなければ、8日目、15日目にも初日と同量のアブラキサン®のみの投与を行います。1週間の休薬を挟んだ4週間を1セットとして、計4回以上の投与を繰り返し行います。
合併症や副作用、不利益など
抗がん剤の副作用として、血液成分の減少(白血球・血小板・赤血球など)、末梢神経障害(手足のしびれなど)、脱毛、疲労、食欲不振、吐き気、筋肉痛、関節痛、口内炎などが考えられますが、これらの副作用は症状の程度に個人差があり、副作用が予想以上に強くあらわれる可能性や、他の予想できない症状があらわれる可能性もあります。担当医師は、これら副作用の予防と早期対処のため、頻回の診察と検査を行い、常に検査結果などを把握し、迅速な対応を心がけ、慎重に治療します。
費用
この「臨床試験」で使用する薬剤はすべて市販されており、通常と同様に医療費はすべて患者さんの保険と患者さん自身によって支払われることになります。
個人情報の保護
患者さんの名前や病気のことなど、プライバシーは厳重に守られます。
Synapse Vincentを用いた術後残存肺容量の定量と術後合併症との関連についての検討
臨床研究への参加やご質問のあるかたは、下記の問い合わせ先までご連絡をお願いします。
問い合わせ先(研究責任者):花岡 淳(呼吸器外科)
〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町
滋賀医科大学 呼吸器外科
Tel:(077)-549-2244
E-mail:hqsurge2@belle.shiga-med.ac.jp (主任研究者:橋本 雅之)
研究の概要
肺腫瘍に対する手術術式としては、肺部分切除、肺区域切除、肺葉切除、肺全摘などがあります。通常、術前に腫瘍の部位・悪性度などに応じて切除範囲を決めるとともに、術後に残ると予想される肺機能を計算し、予定術式が安全に施行可能か検討を行っています。従来は、全肺区域(通常は左右合わせて19区域)から切除予定区域数を引いたものを術後残存肺容量として計算していましたが、実際の区域の大きさには相当な違いが有り、また個人差も大きいため、かなりおおまかな指標と考えられます。
当科では平成24年度より、画像解析ソフト(SYNAPSE VINCENT)を導入し、肺手術における術前検討に用いてきました。主に、肺切除時の気管支・肺動静脈走行の確認、区域切除時の区域間面の確認などに用いていますが、それ以外にも各区域気管支を指定することで、各区域の細かい肺容量測定も可能であり、術前に切除予定量と術後残存量の予測が可能と考えられます。
以上のことから、評価の一つとして、画像解析ソフト(SYNAPSE VINCENT)を用いた予測術後肺機能と、肺区域数から求める従来の予測術後肺機能を比較する「臨床試験」を計画致しました。
目的
肺切除を予定する患者さんに対して、術前に画像解析ソフト(SYNAPSE VINCENT)を用いた予測術後肺機能と、肺区域数から求める従来の予測術後肺機能を求め、術後の経過(術後合併症やその後の肺機能の回復率)を確認することで、その有用性を比較します。
方法
術前評価・術後定期検査として行なってきた「肺機能検査」及び「胸部CT検査」を、これまでと同様に行います。このため本臨床試験による新たな追加検査はなく、従来通り、術前、術後3ヶ月目、術後6ヶ月目、術後12ヶ月目に検査を予定しています。
合併症や副作用、不利益など
従来の検査と変わりがなく、特に副作用・合併症はありません。
費用
この「臨床試験」で使用する機器、検査等はすべて保険診療で行います。術前評価・術後定期検査として従来行なってきた「肺機能検査」及び「胸部CT検査」を、これまで通りに行うため、すべて患者さんの保険と患者さん自身によって支払われることになります
個人情報の保護
患者さんの名前や病気のことなど、プライバシーは厳重に守られます。
縦隔腫瘍に対する手術支援ロボット手術装置(da Vinci Si)を用いたロボット支援胸腔鏡下縦隔腫瘍摘出術の有用性・安全性の検討
臨床研究への参加やご質問のあるかたは、下記の問い合わせ先までご連絡をお願いします。
問い合わせ先(研究責任者):花岡 淳(呼吸器外科)
〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町
滋賀医科大学 呼吸器外科
Tel:(077)-549-2244
E-mail:hqsurge2@belle.shiga-med.ac.jp (主任研究者:花岡 淳)
研究の概要
従来、縦隔腫瘍に対する手術術式は、胸骨を切断して開胸し腫瘍の摘出術を行っていました。しかし、近年は低侵襲手術を目的として、胸腔鏡を用いて小切開創から同様の手術が行われるようになっています。
手術支援ロボットであるダヴィンチシステムは、拡大視可能なハイビジョン三次元画像が得られ、自然な動きの手術操作を可能とするような多関節機能を有し、手の震えを除去する等、鏡視下手術の利点をさらに向上させることで、より繊細で正確な手術を行うことを可能とします。2012年4月に「前立腺癌に対するロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術」が保険適応となり、ダヴィンチシステムは日本においても急速に普及しつつあり、本院泌尿器科においても現在、積極的に手術が行われています。以上のことから、手術にダヴィンチ手術支援ロボットを用いた胸腔鏡下縦隔腫瘍摘出術を行うことで、胸骨を切断して行っていた開胸手術や通常の胸腔鏡下手術と比較して、身体への負担や安全性が保たれるかどうかを確かめる「臨床試験」を計画致しました。
目的
縦隔腫瘍の患者さんに対して、手術支援ロボット手術装置(da Vinci Si)を用いたロボット支援胸腔鏡下縦隔腫瘍摘出術の有用性・安全性を調べることです。
方法
手術は全身麻酔下に行い、左右を別々に呼吸させることが可能なチューブを気管内に留置し、腫瘍が存在する側の肺を虚脱(呼吸を止めたた状態)させた後、ポートを挿入します。ポートからロボットアームに装着したインストゥルメント(手術器具)を挿入し、コンソールに着座した術者が遠隔操作し腫瘍の摘出を行います。切除後は止血を十分確認し、術後の出血の有無を観察する目的にドレーンを留置し手術を終了します。
合併症や副作用、不利益など
この手術方法で起こる可能性のある副作用・合併症としては、出血、感染、神経損傷(横隔神経麻痺等)などの通常の胸部手術でも一般的に生じる可能性があることです。手術支援ロボットであるダヴィンチシステムでは、特に触覚が欠如していることから肺などの他の胸部臓器に予想外の損傷を与えてしまう可能性があります。担当医師は、これら副作用・合併症の予防と早期対処のため、頻回の診察と検査を行い、常に検査結果などを把握し、迅速な対応を心がけ、慎重に治療します。この「臨床試験」に参加するかどうかは患者さんの自由意志です。たとえ同意しない場合でも、今後の治療で不利益になることはありません。患者さんの希望される治療で適切と考えられる治療を、責任を持って行いますので、担当医師にご相談下さい。
費用
この「臨床試験」で使用する機器等はすべて市販されています。しかし、現在のところ保険適応は前立腺摘出術のみであり、この手術に必要な医療費は病院によって負担されることになります(術前・術後に必要な検査等についての医療費は、すべて患者さんの保険と患者さん自身によって支払われることになります)。
個人情報の保護
患者さんの名前や病気のことなど、プライバシーは厳重に守られます。
肺癌の予後・治療効果予測に関するバイオマーカーの同定
臨床研究への参加やご質問のあるかたは、下記の問い合わせ先までご連絡をお願いします。
問い合わせ先(研究責任者):花岡 淳(呼吸器外科)
〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町
滋賀医科大学 呼吸器外科
Tel:(077)-549-2244
E-mail:hqsurge2@belle.shiga-med.ac.jp (主任研究者:花岡 淳)
研究の概要:
目的
手術時に切除した標本を用いて肺がんに関連した特定の遺伝子の発現を解析し、臨床情報と統計学的評価を行うことで、予後・治療効果予測因子を同定することが目的です。
本研究により、各々の患者様における特定の遺伝子の発現を調べることにより、予後の評価と個人に適した治療方法の選択が可能となることが予想されます。
方法
手術時に摘出された新鮮標本(主腫瘍、リンパ節等)あるいはすでに病理検査のためにホルマリン固定の後にパラフィン包埋されている標本よりRNAの抽出を行います。抽出したRNAより合成した鋳型DNAを用いて、肺がんに関連した特定の遺伝子の発現を定量的PCR法という方法で解析します。発現状態と診療情報から統計学的な解析を行い、肺がんの予後予測、治療効果予測に有用な遺伝子の同定を行います。
合併症や副作用、不利益など
特にありません。同意しなくても、今後の治療で不利益になることはなく、通常通りの治療を行います。
費用
患者さんの負担となるような費用は発生しません。
個人情報の保護
患者さんの名前や病気のことなど、プライバシーは厳重に守られます。