各施設のご紹介
滋賀医科大学呼吸器外科の主な関連施設のご紹介です。各施設との密接な連携を行って診療に当たっています。
各施設について
国立病院機構 京都医療センター 呼吸器外科
現在の京都医療センターの診療体制は、澤井(科長)、橋本(医長)、賀来、余田です。新型コロナの影響で一時呼吸器内科の診療縮小があり、手術症例が減少しましたがその後回復しております。嬉しいことに年間で見ますと昨年より増加する見込みです。特に肺癌手術は100例を超える目標が達成できそうです。トピックスとしてはロボット支援下手術です。一昨年末より導入してからこの9月で33例となりました(縦隔腫瘍は未だ)。今後も肺癌および縦隔腫瘍に対して同手術を積極的に取り組んでいきたいと思います。引き続き地域の拠点病院としての役割を果たすべく、年間全麻200例、肺癌100例の手術数を安定して超えられるように頑張っていきたいと考えております(成績は2021年3月現在)。
国立病院機構 東近江総合医療センター 呼吸器外科
東近江総合医療センター呼吸器外科は2000年12月に当院が国立八日市病院から国立滋賀病院に改組されたのと同時に新設され、今年で開設20周年を迎えました。
近隣に呼吸器専門医を擁する医療機関が少ないため、東近江市域だけでなく隣接する医療圏からの紹介や入院症例も多く、呼吸器外科を標榜しながら手術以外にも進行肺癌に対する化学療法、結核など抗酸菌症をはじめとした呼吸器感染症、気管支鏡、局所麻酔胸腔鏡など呼吸器内科とも協力し、広く呼吸器疾患全般を対象に診療しています。診療体制は井上修平(院長)、尾崎良智(外科診療部長)、大内政嗣(呼吸器外科医長・救急科医長併任)の不動のメンバーに加え、本年4月より赤澤彰が赴任、毎日の多忙な業務に当たっています。2019年の手術件数は総数128件(うち原発性肺癌43例、局麻胸腔鏡20件)でここ数年は横ばいの状況です。コロナ禍のなか入院患者数、手術件数の減少など当院も厳しい病院経営を迫られる状況ですが、東近江医療圏における呼吸器診療の中核施設として、これからもその重責を果たしていきたいと思います。
国立病院機構 南京都病院 呼吸器外科
南京都病院は全国143施設よりなる国立病院機構の一施設で、京都と奈良の中間に立地しています。2018年までに入院病棟、外来棟が完成し、病院全体が一新されました。呼吸器外科は、2018年4月より常勤医1名体制となりましたが、滋賀医科大学呼吸器外科学講座の全面協力のもと、大塩恭彦先生・川口庸先生・片岡瑛子先生と手術を行っております。当院は小規模な病院で、診療科も限られていますが、その分他科との風通しもよく、密接な連携を取りやすい環境にあります。
重症COPD患者さんの手術をすることも多く、術後呼吸管理に難渋する際には、NPPVやネーザルハイフローの管理など、呼吸器内科の先生方が行って下さいます。
まさに、「チーム医療」で日々の診療を行っています。現状に満足することなく、病院理念である「分かりやすく、安全で、安心して受けられる、質の高い医療」を目指して日々精進して参りたいと思っています。
公立甲賀病院 呼吸器外科
どの施設でもそうだと思いますがコロナで大変です。特に年末年始のクラスター発生時は大変でした。未曽有の有事であり皆が不慣れで、どうすべきか?手探りで方針決定するのですが、まあ、協力する人、邪魔する人、いろんな人がいます。
呼吸器外科としては、特に診療制限もかからず、肺癌30例、全身麻酔70例は維持されそうです。3年前から呼吸器内科が常勤化され、肺炎等の診療で大変な思いをすることはなくなりました。今後、呼吸器センターとなり呼吸器内科共同で診療をおこなっていく予定です。
医仁会 武田総合病院 呼吸器外科
現在のスタッフは2022年4月より北村将司先生と益本貴人先生と鈴村の3人です。
コロナ禍ではありましたが、手術症例は3年ぶりに100例を超え107例でした。
2017年に呼吸器外科学会の基幹施設へ昇格したのですが、施設基準が手術症例年間150以上に変更されたため、2022年より関連施設に戻ってしまいます。しかし、当院もようやく改築のうわさが現実味を帯びているようで、病院が新しくなったら全科とも患者数が3割程度増えると思われますので、その時は再度基幹施設への昇格にチャレンジします。現状に満足することなくスタッフ全員が臨床外科医として成長できるように頑張りたいと思っております(成績は2021年3月現在)。
洛和会 音羽病院 呼吸器外科
洛和会音羽病院は感染症指定病院ではないのですが、行政からの要請に伴い、4月末にCOVID病棟を立ち上げました。呼吸器内科と呼吸器外科のホームグランドである4D病棟がその病棟となったため、患者さんは全て引っ越し。以後、慣れない他病棟での診療を余儀なくされています。第一波が収まった後、一時的に元の診療体制に戻りましたが、第二波が来ると、再び行政からの強い要請でCOVID病棟が再稼働となり、現在に至ります。手術症例数に関しては、7月までは合計37例と、例年通りで順調でしたが、8月と9月に激減し合計3例。新規の肺癌疑いの患者が減少しており、検診が止まっている影響が遅れて出てきていると思われます。そんな最中、9月1日に院内クラスターが発生。職員の発熱をきっかけに職員2名、患者6名のクラスターであることが判明しました。われわれ呼吸器外科の患者が入院していた病棟でのクラスターだったため、退院が制限。我々自身も、観察者としてPCR検査を3度受けるなど、巻き込まれました。9月16日、無事に終息し、今は落ち着きを取り戻しています。病院全体としては今年に入って、腫瘍内科の充実、消化器内科の診療縮小などの動きがありました(2021年3月現在)。
三菱京都病院 呼吸器外科
本年初めより猛威を振るっているSARS-CoV2により各施設の皆様方も大変なご苦労をされていると存じます。ご承知のとおり当院では院内感染が発生し診療の縮小を余儀なくされ、また他施設同様に資材不足からも様々な制限を受けました。
ようやく元の診療体制に近い状態となり患者数も戻りつつあります。当科の手術症例は近年減少傾向にあった影響もあり伸び悩んでいるのが現状ですが徐々に増加傾向にあります。当院は呼吸器内科常勤医が不在であり進行肺癌をはじめとして呼吸器内科疾患も診療を担当しております。当院の特徴として小規模でもあることから各診療科間の協力体制が良好で、他科の先生方のご支援もいただきながら診療にあたっています。
社会医療法人誠光会 淡海医療センター 呼吸器外科
誠光会淡海医療センターの始まりは、昭和50年に水野光邦先生が開院された水野外科医院でした。2006年4月に草津駅近くの旧病院から、現在の矢橋町に新築移転しました。また、草津市には市民病院がないため、2008年に「公益性の高い医療」の担い手として社会医療法人として認可され、個人病院から社会医療法人へと変わりました。現在ベッド数は619床、職員数1358名と滋賀県下第2の規模となります。2020年度より、前任の川口先生に代わり林が赴任いたしました。花岡先生をはじめ、大学の先生方にご指導をいただきながら日常診療に励んでおります。引き続き精進して参りますので、近江呼吸器疾患研究会の諸先生方からも、変わらぬご指導ご鞭撻をいただければ幸甚です。どうぞよろしくお願い申しあげます。