前胸壁は中央がやや窪んでいるのが普通なので、漏斗胸も軽度であればとくに問題はありません。しかし、稀に自然矯正(とくに女性の場合は、乳房の発達により胸の中央の多少の陥凹は男性に比べて問題になりにくくなります。)されることがあるものの、基本的には進行性で、成長に伴い少しずつ陥凹が進行します。
漏斗胸患児は、やせ形で胸板が薄く、筋肉の発達が不良で、円背・側弯になりやすいと言われ、時間経過とともに、陥凹の中心が徐々に右に偏っていき(左に心臓があるため)、右側が急峻で左側はなだらかといった非対称の胸壁になる傾向があります。
年長児になり胸郭の変形を気にするようになると、人前で裸になるのが嫌なため体育の時間を休んだり、性格が内向的になったり、からかいの対象とされることがあります。また、胸痛や運動時の胸の苦しさといった症状を認めることもあり、単純に外見的な問題とは言い切れません。中等度以上の漏斗胸(極端な場合、胸骨と背骨がくっつくことがあります。)では、心臓の左方偏位・呼吸機能障害があらわれ、易疲労、繰り返す気道感染、不整脈などを引き起こすことがあります。